当院の訪問歯科診療

虫歯や歯周病、入れ歯などのお悩みがあっても、歯科医院への通院が難しく治療を受けられない、そのような方のために行う診療が「訪問歯科」です。訪問歯科では、患者さまのご自宅や施設に伺って、歯科治療をご提供いたします。

診療室と同じ治療ができるよう、当院は訪問歯科専用のさまざまな機材を取り揃えました。歯を削るための「ポータブルユニット」、歯やあごの骨の状態を確認できる「ポータブル歯科用レントゲン」など、持ち運び可能な専用機材を用意しています。

虫歯や歯周病治療、抜歯、入れ歯の調整など、幅広い治療に対応が可能です。ご希望に応じて、自費診療による被せ物・入れ歯の治療にも対応できます。ご自宅や施設で、歯科医院で受けられる治療のほとんどを提供できる体制を整えました。

歯科医院に通院するのが難しく、自宅で歯科治療を受けたいという方は、お気軽にお問合せください。

歯科医院への通院が難しい方は、ご本人やご家族によるケアだけではお口を清潔に保つことが困難です。

お口の清潔が保てないと虫歯や歯周病のリスクが高まり、口臭の悪化、舌・口唇などの機能低下を引き起こすこともあります。その結果、食事がしづらくなり、栄養状態にも影響を及ぼしかねません。

訪問診療では、歯科医師や歯科衛生士によるお口のクリーニングを提供しています。プロによるケアで、ふだんの歯磨きだけでは落とせない汚れもしっかりと除去できるため、お口の清潔を保ちやすくなるでしょう。ケアを行いお口の健康を維持できれば、食事の状況が改善され栄養管理もしやすくなり、全身の健康の改善につながります。

また、患者さまご本人とご家族に、全身の状態に配慮した無理のない歯磨きの方法、入れ歯のお手入れについてもアドバイスが可能です。歯科医院に通えなくても、訪問診療をご利用いただければご自宅でお口のケアを受けられます。当院の訪問歯科では、お口の中から全身の健康を目指す診療をご提供いたします。

誤嚥性肺炎は、食べ物をうまく飲み込めず、細菌が唾液や胃液とともに肺に流れ込むことで生じる病気です。高齢者の死亡原因のひととつでもあります。

お口の中のケアが不十分で細菌が繁殖し、加齢による飲み込む力の衰えと免疫力の低下が重なると、誤嚥性肺炎のリスクは一層高まってしまいます。体外からチューブを通して流動食を摂取する経管栄養を受けている方も例外ではありません。唾液の分泌量が減少し、その殺菌作用が十分に働かず、肺炎のリスクは増大します。

誤嚥性肺炎を防ぐには、お口の清潔を保つことが必要です。歯科の訪問診療を利用すれば、ご自宅でもプロのケアを受けられます。定期的なお口のケアで、誤嚥性肺炎を予防しましょう。

高齢の方は、ものを食べたり飲んだりする「摂食嚥下（せっしょくえんげ）」の機能が低下しがちです。この機能が衰えると、食べ物が詰まったりむせたりする症状がみられ、誤嚥性肺炎を引き起こすリスクも高まります。

食事に時間がかかり十分な栄養が摂れないと、体重が減少する場合も。口の中に食べ物が残りやすくなるため、虫歯や歯周病のリスクも上昇してしまいます。

当院は訪問歯科の診療の中で、摂食嚥下の検査やリハビリを行っています。実際の食事の様子をチェックし、「嚥下内視鏡検査（VE）」で飲み込む様子を確認。それらの検査結果をもとに、機能回復のためのリハビリや訓練を実施いたします。

院長は日本歯科大学附属病院での研修でリハビリに関する知識と技術を深めてきました。さらに「日本摂食嚥下リハビリテーション学会認定士」の資格を有しており、食べ物がお口に入り、飲み込むまでの一連の動作について、専門的な検査や指導を行うことが可能です。お口の機能を向上させる体操などもお伝えします。

また、患者さまのお口の状況に応じて、とろみをつけたり柔らかく調理したりといった食品の形態調整、少ない量でも栄養価の高いメニューなど、お食事に関するアドバイスも行います。

誤嚥性肺炎の予防や栄養状態の改善には、摂食嚥下の機能の回復が重要です。「食べ物が飲み込みづらい」「噛むのが大変で食事を十分にとれない」などの悩みをお持ちの方は、ぜひご相談ください。患者さまご自身とご家族のスケジュール、費用などのご要望に合わせて対応いたします。

造影剤を使用した嚥下機能検査（嚥下造影検査）が必要な場合には、大学病院をご紹介いたします。主な紹介先は、院長がお口のリハビリなどについて学んだ以下の病院です。

• 日本歯科大学附属病院口腔リハビリテーション科
• 日本歯科大学口腔リハビリテーション多摩クリニック

これらの病院への通院が難しい場合は、近隣の昭和大学病院への紹介も可能です。